2014年8月6日
ウェディング・結婚用語辞典 ~最近少なくなっている「高砂」の由来は?~
時代とともに結婚式の内容は変化しています。以前は当たり前のように行われていた慣例が、最近ではほとんど実施されなくなったということも多くあります。その代表的な例が「高砂(たかさご)」ではないでしょうか?
「高砂」の由来は「能」から
豪華な金屏風をバックに新郎新婦が座るメインテーブルを「高砂(たかさご)」と言います。高砂席は、ゲストのテーブルよりも一段高くなっていることがほとんどです。
2000年以降、アットホームな披露宴が主流になり、ゲストと距離を作ってしまうこの高砂席は廃止されることが多くなりました。そこにはカップルの「ゲストをより近くでおもてなししたい」という思いが込められています。
この高砂の由来を調べてみたところ、以前は定番として披露宴で謡われていた能からきていることがわかりました。今からおよそ600年前につくられたそうです。
「高砂やこの浦舟に帆を上げてこの浦舟に帆を上げて月もろともに出潮(いでしお)の波の淡路の島影や遠く鳴尾の沖過ぎてはやすみのえに着きにけりはやすみのえに着きにけり」
「たかさごやー」の出だしの部分はかなり有名なので、聞いたことがある人も多いのではないでしょうか?
簡単に説明すると、九州、阿蘇の宮の神主が上京途中に播磨の国の高砂の浦に立ち寄った後、摂津の国住吉の浦へ着いたという意味なのですが、実はこの高砂と住吉という二つの場所に名木と言われる松が立っており、それを「相生(あいおい)の松」と言ったそうです。
元は同じ場所に生えた松であり、高砂と住吉の遠くに離れてしまっても、心はずっと同じであることを表しています。永遠性を持つ松と、「あい(愛)(相)」「おい(老)」という言葉から、夫婦が末永く幸せに人生をともに過ごすことを願って謡われてきた能なのです。
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by 尾越 まり恵
大学卒業後、リクルートの制作会社にて9年間、結婚情報誌『ゼクシィ』の制作に携わり、2011年に独立。フリーライターとなる。女性のキャリア、恋愛、結婚、出産、子育てなどについて取材・執筆。主な専門は「シングルマザー」「生殖医療(不妊治療)」「ワーキングマザーの仕事と子育て」。
ブログ : http://ameblo.jp/happyhappywoman/